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広島の子育て環境の実状
広島市では、障害や慢性疾患などで長期治療が必要な子どもでも、医療補助を受けられないケースがあります。
制度のねじれ
広島市の所得制限は、主たる生計者一人の所得のみを基準にしているため、世帯全体の収入実態と支援内容がそぐわない『ねじれ』が生じています。実際に、世帯の合計収入が低い家庭が補助の対象外となる一方で、それを上回る収入の家庭が補助を受けられるという逆転現象が起きています。これは、世帯全体の経済状況を考慮しない制度設計が原因であり、大きな不公平感を生んでいます。
インフレに対応していません
物価や賃金が上がり、家計の負担が増しているにも関わらず、所得制限の基準額は約20年間も変わっていません。現在の経済状況と全く合っておらず、本来支援が届くべき多くの家庭が制度の対象外になっています。
長期治療でも補助がありません
広島市では、高校生になると医療費の補助が打ち切られます。そのため、喘息やアトピー、発達障害、精神疾患、がん、アレルギーなど、長期的な治療や投薬が必要な子どもたちも、高額な医療費を自己負担しなくてはなりません。
コンビニ受診しません
『医療費を無償化すると、不要な受診が増える』という懸念の声がありますが、実際には無償化している自治体でも受診回数に大きな変化はありません。子どもの急な体調不良は、親にとって常に不安なもの。ためらうことなく病院にかかれる安心が必要です。
賃上げがリスクになります
所得制限があるために、賃上げや昇給が、かえって医療費補助の打ち切りに繋がるという本末転倒な事態が起きています。子育て世帯が安心して働くためにも、経済成長を妨げないためにも、所得制限の撤廃は不可欠です。
子どもの入院は大きな負担
広島市では所得が570万円（扶養1人の場合）を超えると、子どもの入院費補助が受けられません。突然の高額な医療費は、所得制限世帯にとって経済的な負担はもちろん、精神的にも大きな負担となります。
突然のケガでも補助なし
所得制限を超える世帯では、子どもが骨折などの大きなケガをしても、レントゲン、手術、リハビリといった治療費はすべて自己負担となります。予測できない子どもの事故は、家計に大きな打撃を与えかねません。
孤立する保護者
所得制限があることで、子どもの医療費に関する話題が保護者間で『センシティブな話』となり、悩みを共有しづらい状況が生まれています。経済的な理由で治療をためらう家庭が孤立してしまうことは、子どもにとっても大きな問題です。
企業の賃上げ意欲を削ぐ制度
最低賃金が20年間で1.67倍になるなど、社会全体で賃上げが進む一方、所得制限は企業の努力を水の泡にしかねません。賃上げによって従業員の補助が打ち切られれば、働く意欲が削がれるだけでなく、社会保険料の負担が増す企業側の賃上げ意欲も低下させてしまいます。
医療費と放課後クラブの二重負担
所得制限によって子どもの医療費補助が受けられない世帯は、さらに放課後児童クラブの利用料金も高くなるという二重の負担を強いられています。さらにクラブによっては学校PTAとは別の保護者会があり、そちらの経済的負担や役員の負担まで生じる場合があります。共働きで納税しているにも関わらず、必要な支援が受けられないこの理不尽さが、子育て世帯の肩に重くのしかかっています。
全国でも少数派の所得制限
全国の自治体のうち、子どもの医療費助成に所得制限を設けているのは、わずか5.5%です。多くの自治体が子育て支援のために所得制限を撤廃する中、広島市は時代に逆行しています。市民が他の市町へ流出する原因にもなりかねません。
時代遅れの所得制限
広島県の最低賃金はこの20年で1.67倍になりました。しかし、子ども医療費の所得制限基準額はほぼ変わっていません。経済状況が大きく変化する中で、古い基準に縛られたままでは、本来支援を必要とする多くの家庭が取り残されてしまいます。
未来の子どもたちのために
これから産まれてくる赤ちゃんの医療費制度のしくみをご存知ですか？すべてのこどもが分け隔てなく育まれる広島であってほしいと思います。
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